ユーザー 石垣さん / 盲導犬 トウハ
終わりの見えない新型コロナウィルスの猛威に以前勤めていた会社も影響を受け、現在はデイサービスセンターに再就職しています。
再就職する時に一番不安だったのがトウハのさみしがり屋な性格でした。3年前私が喘息発作で緊急入院することとなった際に一緒に病院へ入ることを許可してもらえず、訓練所の迎えが来るまで病院の玄関にトウハ一人で待たされてしまったことがきっかけとなり、それからは私の姿が見えなくなると不安な気持ちを起こすようになってしまいました。
そのこともあり勤務中も出来るだけ一緒にいられる職場を探していました。今の職場は視覚障害者の雇用も初めてということでしたがトウハのことも快く受け入れていただき、施術中はベッドの傍に、利用者の迎え入れや見送りなど長時間施術室を離れる際もトウハも一緒に行動させてもらっています。
職場では職員からもお年寄りからも可愛がってもらいアイドル的存在です。利用者には「トウハ」という言葉は馴染みがないのか中々覚えてもらえず、初めのうちはポチやタロウ、シロなど好き勝手に呼ばれていましたが最近ではやっと「とうふちゃん」に落ち着き、トウハもまぁいいか、と呼ばれる度に愛想よくしっぽを振ってくれています。
トウハと会えるのを楽しみに来所される方も多く、トウハの周りはいつも人だかりが出来ています。職員の皆さんからもトウハもスタッフの一員と認めていただき、お揃いの制服や社員証までいただき、毎日本当に楽しそうです。
前職の休業から約2年間ずっと目の届く範囲で一緒だった為、離れることが心配でしたが、色々な人と触れ合ううちに少しずつ私の傍から離れられるようになっていて、最近では少しの時間であれば施術室に誰もいなくても一人で待っていられるようになり、成長を感じています。
今はトウハらしくのびのびと仕事が出来ているようで本当にいい職場に巡り合えたなと感謝しています。
トウハは6歳になり、トウハとの生活も折り返し地点を迎えました。これからも支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れず楽しく私たちのペースで歩いて行きたいと思います。
「トウハと一緒に海へお散歩」
ユーザー 山本美惠子さん / 盲導犬 フェリシア
私がはじめて盲導犬と出会ったのはもう33年も前のことです。 これまで白杖を使ってなんとか単独歩行はしていましたが、必要最低限どうしても行かなければならないところだけでした。今のように移動支援制度も確立しておらず、まして私の居住地ではなかなか派遣してもらえませんでした。行きたいところにも思うように行けず、ほとんど屋内での生活、そんな時出会ったのが1頭目の盲導犬でした。その時、私は目の前の世界がパッと開ける思いでした。
共同訓練を終えて帰宅してからは毎日、家の周辺を歩きました。その成果があってか3か月も経つと電車にも乗れるようになり、白杖で緊張して歩いていたところも難なく歩けるようになりました。たくさんの人からも声をかけていただけるようになり、苦手だった外出も楽しいものと変わっていきました。
今は4頭目の盲導犬と行動をともにしています。4頭、それぞれ長所も短所も違いますが、それぞれに素晴らしさを持ってくれています。私はこの4頭の盲導犬のおかげで性格は180度変わりました。明るさと生きがいを与えてくれ、人生を変えてくれたかけがえのない盲導犬たちです。ともに元気でいつまでも歩けるよう願いながら、ほとんど毎日のように出かけています。
「4頭目の盲導犬 フェリシア」